【補助者の定義】ドローンの操縦ができない人でも補助者になれるのか?

補助者の定義のアイキャッチ
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「補助者がいないとドローンを飛ばせないの?」

「補助者を選出する際のルールはあるのか?」

ドローンの飛行申請をする際に出てくるワードである「補助者」

上記のように、どのような人を補助者にすればいいのか悩む人も多いでしょう。

補助者は飛行方法や場所によって、補助者の配置または、それに代わる措置が必要となります。

本記事では、補助者の定義と必要性、見つけ方について解説します。

ドローン操縦における補助者とは?

国土交通省が公表している「無人航空機の目視外飛行に関する要件」では、補助者の役割について次のように記載されています。

(1)第三者の立入管理

飛行経路の直下及びその周辺を常に監視し、第三者(自動車、鉄道等を含む。)が近付いた場合には、第三者又は無人航空機を飛行させる者(以下「操縦者等」という。)に注意喚起を行い、第三者への衝突を回避させること。

(2)有人機等の監視

飛行経路周辺に有人機等がいないことを監視し、有人機等を確認した場合には操縦者等に助言し、有人機等への衝突を回避させること。

(3)自機の監視

飛行中の機体の飛行状況(挙動、計画上の飛行経路とのずれ、不具合発生 の有無等)を常に監視し、継続的に安全運航を行うために必要な情報を適宜 操縦者等に対し助言すること。

(4)自機の周辺の気象状況の監視

飛行中の自機の周辺の気象状況の変化を常に監視し、安全運航に必要な情報を操縦者等に対し適宜助言すること。

無人航空機の目視外飛行に関する要件」|国土交通省

つまり、飛行中の事故を未然に防ぎ安全な飛行をするために、操縦者をサポートする役割が補助者です。

どのような場合に補助者が必須なのか

補助者を必要とするのは、

目視外飛行や夜間飛行などの特定飛行を行う際

です。

趣味で空撮する場合や友人と遊びでドローンを飛ばす場合でも、上記のような特定飛行に該当する場合は、補助者の配置をする必要があります。

補助者を置く以外で使える立入管理措置とは?

補助者の配置に代わる措置として、立入管理措置があります。

立入管理措置とは、飛行ルートの真下とその周辺に対して、第三者の立ち入りを制限する対策のことです。

具体的には、以下の方法があります。

  • 塀やフェンスを設置する
  • 第三者の立ち入りを制限する記載をした看板を立てる
  • コーンを配置する など

    重要なのは、確実に第三者が立ち入れない状態を作ることです。つまり、いくらフェンスやコーン、看板を設置したとしても第三者が立ち入れる状態であれば、立入管理措置としての役割を果たしていないことになります。

    広範囲にわたる飛行や住宅街における住宅屋根の点検などを実施する場合には、補助者の配置を検討しなければなりません。

    補助者は有資格者や操縦経験者でなければならないのか?

    現在の航空法の規定では、補助者の要件に決まりはなく、ドローン経験者や資格保有者でなくても問題ありません。

    しかし、国土交通省の「無人航空機の目視外飛行に関する要件」では、「操縦者の教育訓練」において、次のように記載されています。

    無人航空機の飛行に当たって必要な基礎的な操縦技量、補助者を配置して目視外を飛行する場合に必要な操縦技量に加え、1〜4の要件に従い適切に 飛行させる操縦技量の取得のため、遠隔からの機体等の状態の把握、状況に応じた適切な判断及びこれに基づく操作等に関し座学・実技による教育訓練を、少なくとも10時間以上受けていること。

    【1〜4】

    ⑴第三者の立入管理

    ⑵有人機等の監視

    ⑶自機の監視

    ⑷自機の周辺の気象状況の監視

    【具体的な例】

    a 飛行中に、カメラ等からの情報により、立入管理区画における第三者の有無等、異常状態を適切に評価できること。

    b 把握した異常状態に対し、現在の飛行地点(飛行フェーズ、周辺の地形、構造物の有無)や機体の状況(性能、不具合の有無)を踏まえて最も安全な運航方法を迅速に判断できること。

    c 判断した方法により遠隔から適切に操作できること。

    無人航空機の目視外飛行に関する要件」|国土交通省

    あくまでも法令としての措置ではありません。

    国土交通省としても、有資格者や経験者を毎回補助者にする法令を設けるのは現実的に難しいと考えているのでしょう。

    しかし、安全確保はして欲しいため、なるべく操縦の知識や実務講習を受けた人を補助者にするのが理想と考えられます。

    結論は、「補助者は経験者や有資格者でなくても問題はない。ただ、理想は経験者や有資格者である」ということです。

    「万が一を想定」したうえで補助者を決める

    補助者は、経験者や有資格者でなくても問題ないと解説しましたが、決める際のポイントは「万が一を想定する」だと思います。

    例えば、人や建物の上を飛ばす際や住宅街で住宅の屋根や外壁の点検などのケースを考えてみます。

    この場合、周りにはほかの民家があり、道路には通行人や車が走っている可能性が高いでしょう。

    第三者が飛行区域内に入る可能性は高く、万が一ドローンが墜落した際に事故につながりやすい場所です。

    また、人が多いということは、プライバシーの問題にも気をつける必要があります。急に話しかけてくる人もいるでしょう。人が多い場所であれば、それだけプライバシーを侵害する可能性があり、気になる人は操縦者や補助者に「何目的で撮影しているのか」「許可は取っているのか」など話しかけてくる可能性もあります。

    その場合も、きちんと飛行目的や安全面、許可について話ができる補助者であれば、操縦者の代わりに、話しかけてきた相手との対応が必要です。ドローンのことがわからない・操縦経験がないという人であれば、質問されたことに対して答えられないことも多いでしょう。

    そのため、人が多い場所の上を飛ばす場合など、万が一の危険性を考慮した際に、操縦経験やドローンの知識がある人が補助者になるのが最適だと思います。

    一方、海や川、森の中など、万が一の場合に人に危害が加わる可能性の低い場所であれば、ドローンの経験がない人でも問題はないでしょう。

    まとめ

    本記事では、ドローンを飛ばす際の補助者について解説しました。

    目視外飛行や夜間飛行などの特定飛行をする場合は、補助者または代替え措置が必要です。

    2023年11月現在、補助者自身の飛行経験や知識は問われていませんが、万が一を考えるとやはり経験や知識のある人を補助者に置くのがおすすめです。

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