ドローンを飛行させる前には、航空法や小型無人機等飛行禁止区域の確認などをして、安心安全にフライトをしなければなりません。
ドローンの飛行禁止区域や法律に関して知らずに飛行させると、知らないところで違反をしている可能性もあります。違反内容によっては、厳しい処罰もあるため、しっかり事前確認する必要があります。
安心安全に飛行させて、自分と第三者を守るためにも、飛行前の確認は重要です。
本記事では、ドローンを飛行させる前の確認事項と、その他の法律や条例に関して詳しく解説します。
Contents
ドローンを飛行させる前の確認事項4つ
ドローンを飛行させる前の確認事項は、以下の4つです。
- 人口集中地区(DID)の確認
- 小型無人機等飛行禁止法についての確認
- 空港周辺での飛行制限についての確認
- 天気予報の確認
それぞれ詳しく解説します。
1.人口集中地区(DID)の確認

ドローンはどこでも自由に飛ばせるわけではなく、4つの飛行禁止区域があるんです。
飛行前には、フライトさせる場所が人口集中地区に該当していないか確認しましょう。
主な確認方法は、以下の3つです。
- 国土交通省が推奨している「jSTAT MAP」
- DJI社の「安全飛行 フライトマップ」
- iPhone用のアプリの「ドローンフライトナビ」
これらのWebサービスやアプリを活用して、飛行予定地が人口集中地区に該当していないか確認する必要があります。
2.小型無人機等飛行禁止法についての確認
小型無人機等飛行禁止法とは、ドローンやラジコン飛行機などを飛ばしたらダメな場所を定めた法律です。

警察庁が掲載している「小型無人機等禁止法の概要」の対象施設①〜⑥の周囲、おおむね300mの周辺地域の上空は飛行禁止とされています。
もしも、禁止法に違反した場合には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が処せられるので、飛行ルートは入念に確認しましょう。
ちなみに、航空法の対象外にあたる100g未満のドローンでも本法律は対象になっているため要注意が必要です。
3.空港周辺での飛行制限についての確認
空港周辺もドローンの飛行禁止区域の一つです。
空港周辺は飛行機との衝突を避けるために、航空法でドローンの飛行が厳しく制限されています。
小型無人機等飛行禁止法と同様に、こちらも100g未満のおもちゃのドローンでも飛行できないので注意しましょう。
2023年4月時点で、小型無人機等の飛行が禁止されている空港は、以下の8つです。
そのほかの飛行禁止区域に関しては、以下の記事を参考にしてください。
▶︎【初心者向け】ドローンの飛行に関する規制とは?規制対象の場所と飛ばし方を解説!
4.天気予報の確認

天気はフライトの数日前からチェックしておきたいですね。
ドローンは、雨や風といった天候に左右されやすいです。
雨や風が原因で故障や墜落する可能性もあるので、万全に準備をしていても、天候が悪化してしまうと、中止や延期を考える必要があります。
飛行前や飛行中の天気の移り変わりを事前に調べて、計画を練っておきましょう。
また、ドローンは上昇気流の影響を受けやすいです。上昇気流は地上から上空に向かって空気が移動するため、ドローンは機体が不安定になりやすいです。

出典:天気図|気象庁
なので、上昇気流ができやすい低気圧の場所は、飛行計画を立てる際に十分注意する必要があります。
その他の注意すべき法律や条例とは
航空法や小型無人機禁止法以外にも、気をつけるべき法律や条例はあります。
- 道路交通法
- 電波法
- 産廃法
- 迷惑防止条例
- 地方公共団体が制定する条例
それぞれ詳しく解説します。
道路交通法
基本的に、道路上空を飛行させて、第三者や車などに危害を加えないような飛行をするのであれば許可を受ける必要はありません。
しかし、道路上の人や車両などの安全や通行に影響を及ぼす行為に関しては、所轄警察署から道路使用許可を受ける必要があります。
また、以下のような場合も許可を受ける可能性があるので、所轄警察署での確認が必要です。
- 公共の道路上でドローンを離発着させる
- 道路上でドローンの操縦を行う
- 補助者を道路上に配置する
- 道路上にドローンの飛行を周知させる立て看板などを設置する
電波法
電波法とは、無線通信の混信や妨害を防ぐことで、電波を効率よく利用しようという法律です。
ドローンの飛行では、プロポでの遠隔操作やドローンが撮影した画像データの送信に電波を利用しています。
国内で流通しているドローンは、国内の電波法に適合している総務省確認済の適合証明として、以下の技術基準適合証明のシールが貼られています。

海外で購入したドローンなどはこのシールが貼られていないこともあり、貼られていないまま飛行させると違法行為になるため、機体を購入したら必ず確認しましょう。
産廃法
ドローンを処分する際に関連する法律です。
ドローンの機体やバッテリーには電子回路が組み込まれており、捨てる際は産業廃棄物として処理しなければなりません。そのため、各市町村の定めた適切な処理を行わないと、産廃法違反として処罰されます。
使用しなくなった機体の処理で困った場合は、各市町村の環境課に問い合わせ、処理の方法を確認しましょう。
また最も問題になるのが、自身で処分する場合ではなく、機体を墜落させ見失ってしまった場合です。
機体がどこに消えたかわからないからと言って放置してしまうと、産廃法違反だけではなく、人や物に接触している可能性やバッテリーが発火し火災を起こす原因になるかもしれません。
ドローンの操縦は大きなリスクを含んでいることを忘れずに、最後まで責任を持って対処しましょう。

ドローン保険のなかには、捜索費用を負担してくれるものもありますね!
迷惑防止条例
迷惑防止条例は、ドローンの飛行や操縦で気をつけるべきポイントの一つです。
具体的には、プライバシー侵害や盗撮、私有地への不法侵入の罪に問われる可能性があります。
ドローンでの空撮は上空からの撮影になるため、撮影範囲が広くなり操縦者が意図していなくても、他人のプライバシーを侵害している可能性があります。
また、私有地の上空300mまでは、所有者の権利が及ぶ範囲です。そのため、許可なく、私有地の上空を飛行させると、不法侵入になるので注意が必要です。
そうならないためにも、私有地でドローンを飛行させる際は、私有地の所有者や管理者、その周囲の人にも説明し確認を取る必要があります。
地方公共団体が制定する条例
地方公共団体の管理する公園や河川、公共施設などは、都道府県や市区町村の制定する法規や条例が適用されます。
自由に遊べる公園だからといって、ドローンを自由に飛行させられるわけではありません。必ず管轄の市区町村での確認しましょう。
パイロット自身の心身の準備
パイロット自身の安全対策も欠かせません。
「I,m safe」チェックリストというものがあります。
- Illness(病気)→病気はしていないか
- Medication(薬)→薬を飲んで判断に影響はないか
- Stress(ストレス)→精神的に追い込まれていないか
- Alcohol(アルコール)→アルコールを飲んでいないか、二日酔いではないか
- Fatigue(疲れ)→疲労が溜まっていたり、睡眠不足になったりしていないか
- Eating(食事)→十分な食事は取れているか
ドローンの飛行は、車を運転する時と同じで、「大丈夫だろう」ではなく「危ないかもしれない」で操縦しなければなりません。
フライト前には、上記のチェックリストをしっかり確認して、安全に飛行させましょう。
まとめ
ということで、本記事ではドローンを飛行させる前の確認事項とその他の法律や条例を解説しました。
あらためて確認してみましょう。
- 人口集中地区(DID)の確認
- 小型無人機等飛行禁止法についての確認
- 空港周辺での飛行制限についての確認
- 天気予報の確認
- 道路交通法
- 電波法
- 産廃法
- 迷惑防止条例
- 地方公共団体が制定する条例
ドローンを飛行させる際には、これらを確認し守った上で、安全に飛行させましょう。